Monster Design クレオン(Ellis)
エリス編に登場するモンスターのクレオンについての紹介
デザイン:クレオンは王都編に出てくるキャラクターです。最後は鬼にならざるをえなかった悲しいキャラクターです。
クレオンは最初違う名前のキャラクターでした。ですが、ギリシャの独裁者「クレオン」から名前をとって今の名前になっています。
クレオンはもともと人間なのですが、最後には人を捨てます。王都編は現代社会の知識や歴史を背景に物語を作っています。その中でも、クレオンはほとんど出てこないのに強烈な印象を残すキャラクターになりました。それはたぶん権力の扱い方というシナリオ面の作りこみと、音楽の力です。
音楽は「Creon」
この曲は曲自体が裏シナリオになるように作ってもらった曲です。あとゲームの都合上前半後半でわかれています。
前半は鬼のイメージで狂暴な形になるように、クレオンのテーマの”アレンジ”を入れてもらい、
後半はクレオンの本当の気持ちを表す形になるように、クレオンのテーマが素の状態になるようにして作ってもらっています。
クラシックのソナタ形式では、主題の提示→発展→回帰という形になっています。本来この形がもっともシンプルでわかりやすいのですが、クレオンの曲は構成上あえて発展→回帰になっています。そのため、このままでは最初クレオンのテーマを聞いたとき、リスナーはこれが何を表すのか気づくことができません。
だから王城の中の曲「在りし日をしのぶ」で街のテーマとクレオンのテーマを嫌というほど流しておいて、街のテーマはわかるけど、もう一つの悲しいテーマは何だろう?というフックを無意識領域で作っておきます。
そのあとで、クレオンに会った時に城の中で聞こえた物悲しい曲はクレオンのテーマだったんだ!とわかるようにしています。一曲だけではなく全体で主題の提示→発展→回帰になるように作っています。
子供のころはクラシックオタクだったのでその知識が思いのほか役に立っています。ベートーヴェンの主題変容などについても子供のころに学んでいたので、音楽でいかに物語を作ればいいかの知識があったのは大きな利点でした。(依頼の上でも)
ただひとの中の音楽の扱いはただの音楽ではありません。テーマの扱いは細心の注意を払い、大切な部分は音楽だけで語れるようになっています。そのため音楽がわかる人には特に面白いと思います。